フリゲレビュー

えくれあちゃんのおうち にのみやしげお国王の憂鬱 あたしはおトイレちゃんの水を流す部分にデコをぶつけて死にかけたのっ!〜萌えバージョン〜 Teufel Teich〜嗟嘆の湖〜研修編 へいぼんなまいにち 1123 最速ファンタジー 月影の駅

えくれあちゃんのおうち

名称 えくれあちゃんのおうち
制作 ととと☆ぷろじぇくと
ジャンル ホラーアドベンチャー
12歳以上対象
容量(解凍後) 44.2MB
公開日 2015/02/06
最新バージョン 1.00
レビュー公開時 2015/02/07
グラフィック 主に写真素材改変、一部自作。
各種エフェクト等を含め、非常に精神的に来る出来となっている。
サウンド 冒頭の効果音に始まる、精神的に来る効果音の数々。
反面、途中の唐突な悲鳴など、少々興ざめするシーンがあったような……。
ストーリー ゆるふわな文体と狂気じみた行動。
本作最大の問題点にして最大の特徴。
修正版の方ではこの醍醐味を味わえないので注意。
システム 気になる箇所をクリックして進行する、一般的なアドベンチャーゲーム。
強いて言えば、セーブが一箇所しか作れない点と場所移動がわかりにくい点がネックか。
面白さ プレイ時間は10分程度だが、内容は非常に濃密。
ただし、本作最大の特徴が修正版ではほとんど残っていないため、修正版の方はあまり面白い物ではない。
総合評価 何と言っても「ふりーむ!掲載拒否」という経緯。
普通のホラーゲームでは物足りないという人・曰く付きのゲームが好きな人におススメ。
総評 【注意】
本作品は修正版が12歳以上対象、無修正版がふりーむ!掲載拒否となっています。
筆者としては無修正版の方を勧めますが、DLについては自己責任の上で行ってください。
世の中には、何らかの原因で公開できなかった作品がある。
その原因は様々だが、そのような「曰く付きの作品」はしばしマニアの間で話題となる。
今回は、そんなフリーゲームを紹介してみる。

本作品は無修正版がふりーむ!にて掲載拒否となった後、修正版が公開されたという経緯を持つ。
その修正版が公開される少し前に、無修正版が作者twitterにて公開された。
このふりーむ!の公開審査基準だが、余程のことが無い限り引っかかることは(まず)無い。
実際、下にある最速ファンタジーのような著作権的に問題のある作品が掲載されていたり、
他にも問題のあると思われる作品は少なくない。
実のところ、性器や性行為の直接描写でもない限り問題ないと思われるが、
この点については筆者は詳しいことはよく把握できていないため割愛。

ともあれ、よほどのことが無い限りまず起こりえない「ふりーむ!掲載拒否」となった今作。
twitterでこの情報を見たとき、何が原因だったのか興味を持った。
そして実際に無修正版が公開され、DLしてプレイした結果……。

開始10秒でなんとなくわかる掲載拒否の理由。
開始30秒でしっかりとわかる掲載拒否の理由。
10分程度でクリアした後、私はこの作品に対してどういう感想を持てばいいのかわからなかった。
本作のストーリーは「主人公の女の子の家に化け物が出たので退治する」というもの。
基本的には画面の気になる箇所をクリックしていき先に進んでいくという、脱出ゲーなどに近いシステムを持つ。
場所移動が少しわかりにくいなどの点はあるが、素直にプレイしていけばクリア自体はそう難しい物ではない。
ただし、途中でドロップアウトしなければ、の話であるが。

本作の特長の一つに、他に類を見ない直接的描写を含むグロテスクなグラフィックが挙げられる。
タイトル画面こそ可愛らしいイラストではあるが、それはあくまでも仮の姿。
一般にホラーゲームでのグロ描写はドット絵やイラスト程度である(それでも十分に怖い物はあるが)。
だが、本作では作者(と思われる人物)の腕などを含む実写加工をベースにしている。
無論、あくまで加工した写真であり、作者本人は無事である(と思われる)のだが、それでも非常に精神的に来る物となっている。

また、テキストの方も何気なく残虐な発言をしていたりと、なかなか精神的に来る出来。
その文体はゲーム内だけならず、説明書まで徹底しており、尚更作者と登場人物を重ね合わせてしまう。
思わず作者の精神状態を疑ってしまうが、作者のtwitterを見た限り特に問題が無いようなのでご安心を。

尚、上記の描写は無修正版の物である。
ふりーむ!にて公開されている修正版の方は、問題となる描写がカットされているためそこまで怖いものではない。
ただし、その分本作の魅力も損なわれており、
また削除されたストーリーの補完も無いため、ストーリーに不明瞭な箇所が生じている。
過激かつ残虐な描写が多いことは承知の上で、プレイするなら無修正版の方をおススメする。


にのみやしげお国王の憂鬱

名称 にのみやしげお国王の憂鬱
制作 二野宮茂雄
ジャンル RPG……?
容量(解凍後) 964KB
公開日 不明
最新バージョン Ver.1.01(2013/09/24公開)
レビュー公開時 2014/03/14
グラフィック RTPのみ。 サウンド RTPのみ。
ストーリー これから何か始まるかと思ったら終わってた、何を言ってるのか(以下略)
ストーリー・台詞回しともに改良の余地あり。
システム 決定キーを押すだけで進む、文章や演出主体のゲームに於いてシステム欄は必要なのか……?
面白さ これといって面白いところは無い。
総合評価
諸事情により、総合評価は割愛。
総評 【注意】
本レビューには特定の政党・出馬者を支持・批判する意図はありません。
あくまでも、ゲーム作成のバックグラウンドを鑑みた上で内容を評価することを目的としています。

このゲームの作者である二野宮茂雄 氏はニコ生主にして2014年大阪市長選の出馬者である。
昨今のマスメディアのように作者のことを事細かに書くのは気が引けるので作者の情報については割愛するが、
とりあえず過去に尼崎市議会議員選挙で落選、大阪市長選挙に出馬したことだけ覚えていただければそれで十分である。
ゲームの内容はかなり短い。
ある貧しい国の国王である「にのみやしげお国王」と「イナムラ」という人物が軽く雑談をした後、国民が王に反旗を翻し、国王が虐殺されるというもの。

文章は小学生の作文並みで、特に感嘆符の多用が目立つ。
とはいえ、このような文体が悪い訳では無く、これで更に台詞に勢いがあれば、あるいは本作を象徴するような特徴的なセリフがあればまた評価は変わっただろうが……。

内容も微妙だが、それに加えて演出の少なさが気になる。
一応BGMは変わるものの、文章のみのゲームにしては効果音は少ない。
また、終始会話劇である以上仕方ないにせよ、ゲーム内の動きが中盤の兵士の移動くらいしかないのも気になる。
流石に大人数のモブが城に攻め込むシーンの製作を求めるのは酷かもしれないが(無論あれば多少は評価がかわったかもしれない)、
せめて前半の会話シーンにてイナムラが王の方を向くくらいはあってもよかった気がする。
結論から言えば、作者が大阪市長選挙の出馬者であることを踏まえても、その他作者の素性を踏まえても、本作は駄作にすらなれそうにない出来である。
あるいはRPGツクールの初心者が作った短編駄作程度と考えればそれなりの評価にはなるだろうが……。
普通ならこの作品を糧に、もっといい作品を作り公開されるのを期待するところだが、作者が市長選出馬者である以上それも望み薄である。

そもそも、この作品を知ったきっかけはある出馬者がRPGツクールでゲームを公開しているという情報をあるブログにて入手したことである。
(正確に言えばそのブログのこともtwitter上のツイートにて知ったのだが)
そのブログの内容も某掲示板からの転載、その掲示板の情報もまた元をたどればNAVERまとめからの引用である。
なんともややこしい経緯ではあるが、いずれにせよHPで自作ゲームを公開中であることを明記した上での記事なので、どんな内容なのかそこそこ期待はしていた。
その期待は見事に打ち壊された訳だが……。

この一連の情報を見て、実際にプレイした人がどれだけいるか。
たぶん、数えるほどいないであろう。
ましてや、そんな大したことの無いゲームを態々ダウンロードし、挙句そのゲームのレビューを書いた人なぞ、私以外にいるかどうか。
少なくとも、このレビューを読み二野宮茂雄氏に一票入れた人よりはまだ多いのではないだろうか。


あたしはおトイレちゃんの水を流す部分にデコをぶつけて死にかけたのっ!〜萌えバージョン〜

名称 あたしはおトイレちゃんの水を流す部分にデコをぶつけて死にかけたのっ!〜萌えバージョン〜
制作 口谷亜夜
ジャンル ノベルゲーム
容量(解凍後) 81.2MB
公開日 2013/06/30
最新バージョン 1(2013/06/30公開)
レビュー公開時 2013/10/22
グラフィック 背景は素材サイト、立ち絵は自作。
タイトルには萌えバージョンとあるが、アスペクト比を間違えたのか少し横につぶれてるような……。
萌えはあくまでも主観的な要素なので、単に筆者のみが萌えなかっただけかもしれないが。
サウンド BGMは素材サイトから。
フリーゲームにしては珍しく、登場人物の台詞にボイス付きの豪華仕様(?)となっている。
ただ、関西方言(伊予弁?)が苦手な人には少し合わないかも……。
ストーリー ストーリー自体は日常生活のある出来事を描いた短編。
ただ、その言い回しがいちいち独特なので、そこが本作の魅力、だと思う。
システム ごく普通のノベルゲームのシステム。
強いて言えば、タイトル画面でクリックしてからのウェイトが少し長いのが気になる程度。
面白さ ストーリーでも書いた通り、語彙のチョイスなどが本作の面白さのキモなのだが……。
やや人を選ぶかもしれない。
総合評価
面白いことは面白いのだが、あと一歩何かパンチが足りない。
フルボイスのせいで、内容の割に容量がかなり大きいのもネック。
サクっと遊べるけど、下手すればDLにかかる時間の方が長くなりかねない……。
総評 昔と比べれば遥かに安全といえる現代社会。
日常における死はすっかり遠ざかったかのように思える。
だが、現実はそう甘くは無い。
100%の安全など、存在しないのだから……。
とにかく長いタイトルが特徴的な作品。
また、ファイルサイズもかなり大きめである。
そんな長いタイトルとファイルサイズに反して、プレイ時間は5分〜10分程度と短め。

本作の舞台はあるスイミングスクール。
内容はタイトル通り、主人公の少女がトイレの水を流す部分に頭をぶつけて死にかけたというもの。
しかも内容は作者の実話らしい。
一歩間違えたらこの作品が生まれなかった可能性もあった、かもしれない。

面白いこと面白いのだが、ボリュームも少な目な上に今一つパンチが足りないのが弱点。
短編なのでサクっと遊べるのが長所……とするにしてもファイルサイズが大きすぎる。
ファイルサイズが大きい原因はおそらくはボイスのせいと思われるが、これを削るとある意味本作最大の特徴が失せる。
タイトルに萌えバージョンとあるが、そこまで萌えるかとなると微妙。でもスク水などの萌え要素はしっかりとある。
でも決して出来が悪い訳では無い。様々な面で惜しい作品といえよう。
最後に。
結局本作のどこが萌えバージョンなのかよくわからなかった方へ。
本作は氏の作品のリメイク版であり、萌えバージョンではないオリジナル版もある。
こちらも同じく作者HPからDL可能。
オリジナル版をプレイしたとき、本作が「萌えバージョン」であることを(なんとなく)実感できるかもしれない……。


Teufel Teich〜嗟嘆の湖〜研修編

名称 Teufel Teich〜嗟嘆の湖〜研修編
制作 サークル マジェスティ 様
ジャンル ノベルゲーム
12歳以上対象
容量(解凍後) 327MB
公開日 2013/02/02 コミティア103にて配布
2013/05/04 完全版公開
最新バージョン 1.6.1(2013/07/13修正パッチ配布)
レビュー公開時 2013/07/17
グラフィック 写真素材(加工)は素材サイトより。
主人公除く主要キャラに立ち絵有り。
尚、一部血などの描写もあるが、死体等の直接的描写は無いのでその種の耐性が無くても大丈夫……なはず。
サウンド 全て素材サイトからと思われる。
雰囲気云々はいつものことだが、加えて特定のキャラ・シーンで使われる専用BGMのような物有り。
本作とは関係ないが、フリゲ制作に携わっているとBGMを聞いただけでなんとなくどこのサイトかわかるという、嬉しくないスキルが身に付く。
ストーリー 穏やかな状況から一気に落とされたりする反面、絶望的な状況でも尚明るいシーンがあったりと起伏が大きい。
気が付いたら数時間程読み続けていた、ってこともよくある。
ただ、本作の核心がそのまま序盤のネタバレになるので、あらすじを説明しにくいのがもどかしい。
システム ノベルゲームとしてはごく標準的なシステム。
タイトル画面の表記がドイツ語で少し戸惑う(カーソル当てると日本語表記が出るが)のと
文章中のウェイトのせいで誤スキップが発生しやすい点が気になるか。
面白さ 嫌な予感しかしない状況なのに、尚読み続けたくなるストーリー。
そして読み進めていくうちに分かっていく全貌と、キャラ同士の意外な繋がり。 中毒性というか毒がかなり強い作品。
ハマり過ぎるくらいで丁度良いくらい、どっぷりと惹かれる面白さがある。
総合評価 ここまで惹きこまれた作品は久々。
全読破となると10時間程度かかるが、これを長いと考えるべきか長く楽しめると考えるべきか。
総評 【注意】
本レビューには作品のネタバレを含みます。該当箇所は反転表示してお読みください。
例:四ツ木さんのおっぱい
さて、ネタバレというのは物語のオチなどを書くことである。
そこには作者が用意した「最良の状況」で「意外な展開」を味わうという楽しみを阻害する可能性があるため、レビュー等では回避せざるを得ない訳である。
ただし、「意外な展開」そのものがプレイヤーにとって不快感をもたらす要素であることも少なくない。
例えば「主人公が実は同性愛者だった」という展開は、十分に意外な展開になり得るのだが、現代の日本では必ずしも受け入れられるとは限らない。
その場合、注意事項として「同性愛表現有り」などと表記することが多い。
ただ、当然ながらこれらがの注意事項が無い状況場合ほどには「意外な展開」にならないのも事実であり、ジレンマである。

さて、(親切な作者によって作られた)フィクション作品ならある程度注意事項として明記しているものだが、現実はそうはいかない。
自分が好まない状況に、突然陥れられることが無いとは言い難い。
そのような異常事態になった時、人は以前と同じ思考が出来るか、あるいは状況に適応してしまうか。
かつ、周囲の人が異常事態に適応して異常行動を起こすか、あるいは……。
前置きが長くなり過ぎたので、そろそろ作品の紹介に入る。
本作は選択肢等の分岐の無い、ノベルゲームである。
本作はメインシナリオとおまけ内のTIPSから構成されている。
メインシナリオはプロローグと複数のチャプターから成り、ある章を読み終えると次の章が解禁される、という方式である。
TIPSは回想編と資料編に分かれており、こちらもメインシナリオを読み進めていくと解禁。
前述の通り、分岐は無いため時間さえあれば全ての文章を読むのはそう難しくはない。
プレイ時間は読む速度にもよるが、メインシナリオの各章が1時間程度、TIPSの回想編が各30分程度。
資料編はまちまち。
総合でのプレイ時間は詳しく計測していないが、10時間程度である。

【メインシナリオあらすじ】
大企業である(株)第弐製薬に入社し、新人研修会に参加することになった主人公の佐藤ら6人。
研修場所の所在地・研修内容ともに明かされるまま、山間部の湖畔にある研修場所に着く。
そこで第弐製薬営業刷新部の部長にして研修の担当者である堀江の元、研修を行うことになった。
そして研修一日目の夜、この地で行われる研修内容とその目的が告げられた。
その研修内容は、余りにも受け入れがたい内容であった……。


「諸君に課す研修……それは”殺し合い”をしてもらうこ・と☆」
研修の担当者である堀江は「第弐製薬は表向きには普通の製薬会社として名を馳せている影で、武器・麻薬の密輸を始めスパイや殺し屋の派遣等の裏事業を行っており、それによって本業の薬品開発に資金を投じて大企業に至る」と説明。
新入社員である佐藤らはこの殺し合いによってさらに篩にかけ、生き残った者を修了者とみなしこの会社の裏稼業(堀江曰くエンジン部)として配属されるらしい。
流石に本気ではないと思いつつも動揺する参加者の中、「そんなジョーク、アングレイトですよぉ?」と口にした細田。
その直後、堀江の拳銃によって殺される細田。
この研修が冗談では無く、本物だということを知る参加者。
果たして、この殺し合いに生き残るのは誰か、そしてその後どうなるのか……。

……とまあこのような物語である。
兎に角、物語の大筋がそのまま序盤最大のネタバレとなるため、ストーリーを説明しにくいことこの上ない。
それでも殺し合いになることをなんとなく予測して、かつ当ててしまった筆者も筆者だが。
(流石にその直後に細田が犠牲になることまでは読めなかったが)
【TIPSについて】
表面上はあくまでおまけという扱いのTIPSだが、こちらも本編同様、作品を理解するにあたって重要な箇所である。
基本的にメインシナリオを進めて犠牲者が出るとそのキャラの回想編が解禁され、それを読むと内容に応じて資料編が解禁される(一部例外有り)。

回想編は基本的に各キャラクターの前日譚となっており、いずれも止馬駅(しば-)周辺が舞台となっている。
各キャラの回想編は微妙にリンクしており、キャラ同士の意外なつながりを発見できる。
世間は狭いというか、ご都合主義的というか、それくらい裏では密接している。
また、何気なく登場していたキャラが実はメインシナリオでも登場するあの人だった、ということも多い。
特に真長門ペロペロ団関連。一時は主人公の佐藤がこいつらの一人かと思ったほど。というか何者なんだあいつら。
こちらは本編程は重くなく、むしろコミカルなストーリーが多い。

最後に資料編だが、こちらは回想編に登場した人物が語り口というかメイン。
内容は結構バラエティに富んでいる。
2ch風の掲示板だったりメタ発言だったりヤンデレと、意外とカオス。
無論、第弐製薬及び各キャラのことを知るうえで重要な情報も多いのだが……。
【まとめ】
フリー・同人・商用問わず、現代日本(に近い世界観)を舞台にしたゲームは学園物が多い。
そんな中、新社会人がメインで、かつ新人研修を舞台にした本作は新鮮味があった。
また、登場人物も個性が強いキャラが多く、その点も楽しめた。
そして最大の魅力は中毒性というか毒の強い物語なのだが……。
これまで何度も書いた通り、それをここで書くと本作の魅力が半減しかねない。
筆者としては、次の段落以降を読まずに本作をDLすることを勧める。

さて、ある意味ここからが本編。
ネタバレを自重せず本作の魅力を書く。

本作を簡単にまとめれば、「嫌な予感しかしないのに何故か読み進めたくなる」、これに尽きる。
特に面白いというか、読み進めてしまったシーンを挙げれば、本来研修に参加したくないはずである研修生同士での戦闘(?)シーン。
研修内容に賛成できないことは分かりつつも、心の底からは信用しきれていない仲間。
疑心暗鬼からの仲間の豹変、そして半ば正当防衛ともいえる返り討ち、そして自身もまた豹変し、人殺しになる様。
そして素に戻ってから気づく過ち、悔恨。
狂気に近い感情の中、殺人に至る様子を私はただ茫然と、( ゚ д ゚ )←このような顔で読み続けてしまった。

……と、このように重いシーンもある反面、ギャルゲー染みた比較的明るい展開や気休め程度のギャグシーンがあるのも事実。
むしろ清涼剤として有効に活用できる。
特にキャラが犠牲になった章を読み終えると出現する回想編は、それまでの鬱屈した雰囲気を一転させるような内容なので、プレイ後に気分を引きずらずに済む、かもしれない。
無論、ネガティブな雰囲気を引きずるのも自由ではあるが。

【余談】
本作をプレイして最後まで残った謎をいくつか書き連ねる。
もしかしたら作中で示されているのに読み飛ばした箇所があるかもしれないし、制作中らしい続編で明らかにされるかもしれない。
ともかく、どう考えてもネタバレでしかない上にレビューとは関係ないため、クリア後に読むことを推奨。
・研修生達の豹変の原因
 主人公・四ツ木さん共に過去に殺人行為またはそれに類する行為を行った?フラッシュバック?
 また、「資料編-王子充の報告書」内にて、水元に対し「例の薬物」と称する薬物を投与していることが判明している。
 この「例の薬物」が他の研修生にも投与されており、その影響で豹変→殺人行為に至った?
・水元の言う「みっきー」の正体
 堀江に殺される直前に「今すぐみっきーのいる場所に行く」→みっきーは故人?イマジナリーフレンド?
・研修の真の目的
 エンディングの時点では全員が死亡→「例の薬物」の臨床実験後の殺処分が目的?
 ただしエンディング自体夢オチなのでどうとも言えないが……。
・第弐製薬の雇用体制
 ここ数年、裏稼業部の採用者はいない?
 というか企業の規模に対して新卒採用者が6人は少なすぎるのでは?→他に雇用枠があると考えれば自然か
・回想編の異常なまでに狭い世間
 裏で第弐製薬が手をまわしている?
 あるいは単なる偶然?ご都合主義?


へいぼんなまいにち

名称 へいぼんなまいにち
制作 もろこし 様
ジャンル アドベンチャー(?)
15歳以上対象
容量(解凍後) 5.1MB
公開日 2013/03/27
最新バージョン 1.0(2013/03/27公開)
レビュー公開時 2013/04/02
グラフィック 基本的にRTPを使用。
タイトル及び作中の本のみ手描き、他一部RTPに無い素材があるが自作か?
イラスト自体はクレヨンで描かれたそう上手い物ではないのだが・・・。
サウンド RTP及び素材サイトから。
ここも本作のネタバレに近いため、多くは書かないことにする。
ストーリー 文章のほとんどがひらがなで、しかもへいぼんなまいにちをくりかえすだけだが・・・。
意外な展開、そして結末に驚かされるだろう。
システム 意図的だと思われるが、メニューを開けず、結果的にセーブ出来ない点が残念。
次にどこに移動すべきかわかりにくいのも難点。
ベッドを調べるときは、布団ではなく枕のある方の上のマスを調べよう。
面白さ 本作の面白さは、初見でないど楽しめない、かもしれない。
以下の総評でもなるべくネタバレは控えているつもりだが、
出来れば本作をプレイしてから総評を読んでほしい。ジレンマ。
総合評価 作者の騙し討ちに見事にハマった。
作者は初心者だと思った筆者の負けである。
このゲーム、前々しょぼくなんかないよ!もっと自信を持っていいよ!
でもそうなると騙し討ち要素が減る。ジレンマ2。
総評 巷で言われることの一つに、「最初から上手い人はいない」というのがある。
これが事実かどうかはさておき、本作は「一見」初心者が作ったような作品である。
マップもRTPそのまま。タイトルも手描き文字。
クリエイターからのメッセージも「しょぼいゲームしかつくれませんすいません」。
そのため、あまり期待できない作品かと思う人もいるかもしれない。 まあ、サムネと推奨年齢15歳以上(高校生〜)の時点で感が良い人なら気づくかもしれないが。

物語は少年が朝起きて、朝食を食べる。
そして、家族は仕事や買い物に行く。
少年はもうやることもないので、ねてしまう。
こうして、タイトル通りへいぼんなまいにちが続く。

ただ一箇所を除けば。

机の上にある本。
少年の絵日記か何かと思われるが、最初はクレヨンで描かれた少年のイラストが映る。
だが、日が経つにつれ、少しずつ変わっていき、最後には・・・。

これ以上はネタバレというか、本作の醍醐味なので敢えて書かない。
とりあえず、今までののんびりした雰囲気が続かないことだけは言っておく。

以下まとめ。ネタバレになるため反転表示。
最初はのんびりした雰囲気だが、少しずつ不安になっていく。
そして、初見だと間違いなくビビる。
というか、二回目でもビビった。
結局黒いアレの正体は何なのか、机の上の絵日記との関係は。
全てが謎のまま、衝撃的な結末を迎える。

最初に安心させ、そこから少しずつ怖がらせる。
作者は恐怖の扱いが上手い人物の様だ。
こんな作者を初心者だと思った筆者は謝るしかない。申し訳ありませんでした。
残念なのは、作者がどのような人物かわからないという点。
作者のHP等はないが、メールアドレスは書いてある。
本レビューの事後報告と共に、作者から何かコメントが頂ければここにて掲載したい。
もっとも、下手すれば本作のレビュー自体撤去を求められかねないが。
いや、そもそも返信が来ないかもしれないが。
とりあえず、レビューの報告だけはしておく。
最後に、作者の次回作に期待しつつ、本レビューを〆ることにする。


1123

名称 1123
制作 A子 様
ジャンル 落ち物系パズル
現代フィクション
容量(解凍後) 14.5MB
公開日 2012/11/23
最新バージョン Ver1.10(2013/03/23 公開)
レビュー公開時 2013/04/02
グラフィック 背景以外全て自作。
美紅が可愛い。
以上。
サウンド 全て素材サイトから。
雰囲気と合った選曲・・・って毎回似たこと書いてるような。
ストーリー 義理の兄妹間の妙に冷めた雰囲気が面白い。
それにしてもこの妹、ツンデレと呼んでいいのかどうか。
システム 難易度が高い上に操作に難あり。
初期設定だとクリアすらままならない。
オプションを弄れば難易度は下がる。むしろこれが前提なんじゃないかと。
最低でも回転はOFFにして遊ぼう。
面白さ パズルゲームとして見た場合、無駄に難易度が高いだけの作品だが、
ノベルゲームとして見れば十分に楽しめる出来。
何とも妙な作品だ・・・。
総合評価 美紅に萌えるだけのゲーム。以上。
強いて言うなら、デフォルトでONになっているパズルの回転機能が難点。
あるいは一発で成功ENDを見せないだけの配慮かもしれないが・・・。
総評 地味に初のツクール製以外の作品レビュー。
本作は吉里吉里2/KAG3にて制作された「パズルゲーム」である。
元々吉里吉里はノベルゲームに特化したゲームエンジンだが、工夫すればそれ以外のジャンルも制作可能なようである。
もっとも、本作にはノベルゲームパートも有り、むしろこっちがメインみたいなことになっているが。

本作は、最初に5分程度の短いストーリーがあり、その後パズルゲームが始まる。
そして、そのパズルの結果によってEDが分岐する。
ちなみに、最初のストーリーは一度見ればクイックスタートが可能である。

登場人物は義理の兄妹である兄の新三(しんぞう)と妹の美紅(みく)。
本作は美紅の視点で描かれている。いるのだが・・・。
実は新三よりも美紅の方がメイン。
作中でも「これは兄さんゲーと偽った妹ゲー」と書いてある。
実施、美紅は可愛い。
どう可愛いかは、作中での新三のセリフを参照のこと。

問題はパズルゲームパート。
マウスかキーボードで操作可能なのだが・・・。 初見だと5秒もしない内にクリア失敗となるだろう。
というのもこのパズル、要は落ち物ゲーの要領でピースを正しい場所に置けばいいのだが、
初期設定だと落下速度が速い上、1度間違っただけで失敗EDに直行する。
その上、ピースを回転させて正しい向きにする必要がある。
身体や服の箇所ならともかく、背景だけのピースだとそもそもどれが正しい向きかわかりにくい。
そのため、初見だと間違いなくクリア失敗となる。

ただし、救済措置もちゃんと用意されている。
クリア後に設定変更が使用可能となり、そこである程度設定を弄ることが出来る。
とりあえずは回転をOFFにし、失敗時にやりなおし可能にするとラク。
必要なら他の設定も弄ろう。
実際、公式サイトの攻略(?)の項でも推奨されている。
すると一転、難易度が一気に下がる

本作の見どころとしては、パズルの題材にもなっている美紅のイラスト。
というかこれだけで十分おススメに値する。
逆に言えば、これとストーリーくらいしか評価点はないのだが、そもそもプレイ時間が短い短編なので仕方が無い。
もう一度言う。美紅のイラストだけで本作は十分価値がある

ちなみに、パズルだが1/4の確率で別なパターンになる。
この場合、完成させるとヤンデレEDになる。
こちらもなかなか可愛いので、何度かリセットしてでも見てほしい。

最後に。
「ゲームの面白さはグラフィックだけで決まるものではない」と思っている筆者にしては珍しく、
「キャラが可愛いという点だけで評価した」作品。
それが本作である。
それにしても、兄さん涙目なレビューだな・・・。


最速ファンタジー

名称 最速ファンタジー
(現在DL不可)バージョンアップ後・DL再開
制作 ちけし 様
ジャンル ファンタジーRPG・・・?
容量(解凍後) 1.49MB
公開日 2010/12/15
最新バージョン バージョン表記無し(2012/01/21 公開)
ver.1(2014/12/24 公開)
レビュー公開時 2013/03/02
グラフィック 基本的にRTPのみ、タイトルとゲームオーバー画面のみRTP改変。 サウンド 問題点の一つ。
あるシーンでボイスが流れるが、それが某アニメから無断使用の物。
これが原因で、本コーナーにてレビューするか悩んだほど。
ストーリー DL時の説明にて完結している上、作中に一切関係しない。 システム 決定キー2回押すだけでクリア可能。
ある意味、親切設計ではある。
面白さ 正直、ただの一発ネタなのだが・・・。
こんな作品だが、不覚にも面白いと思ってしまった。
どう見てもクソゲーだが、人を惹きつける何かがあるようだ・・・。
総合評価 もはやゲームかどうかすら言い難いが、本コーナーはゲーム以外も扱っているのでその点は問題は無い。
音源の無断使用さえなければ大っぴらに紹介できるのだが・・・。
総評 フリーゲームに於いて、作品の人気はどう測るべきか。
一番簡単なのはDL数の比較である。
DL数が多いということは、それだけ多くの人に愛されていると言えよう。
ただ、それと作品の質、そして面白さが直結するかはまた別な話である・・・。
本作は、タイトルの通り「最速の」ゲームである。
ゲームスタートからクリアまで、1分もかかるまい。
ネタバレになるがゲームスタートしてすぐに「クリア!」と表示される。
そして「THE END」。それだけである。
戦闘・イベント・ストーリー。それらを何一つ持ち合わせていない。
まさに「出オチ」としか言いようのない作品である。

これだけでも既に問題作だが、実は問題点があと2つある。
問題点一つ目がある音声。
クリア後に「THE END」と表示されるが、その際あるボイスが流れる。
問題はそのボイスが某アニメから無断使用している点である。
言うまでも無く著作権法違反であり、ツクールの利用規約にも引っかかる。
というか配布元のふりーむ!様のチェックをよく通せたものである・・・。

そして問題点二つ目。
こんな内容なのにDL数が非常に多い。
3月1日現在の累計DL数は24,686。
ふりーむ!全登録作品でも44位と、かなり高い方である。
現在、同サイトにて筆者が公開している作品で一番DL数が多い作品でも400程度。
この作品は、そんな筆者の作品の60倍以上のDLなのである。
それだけのDL数があるということは、やはり本作には何か人を惹きつける魅力があるのだろうか・・・。

数字だけがすべてではない。
それ以外にも大事なものはある。
そんな俗説も、本作の前では太刀打ちできない。
いかに内容が酷くても、音源の無断使用をしようと、DL数が多いのが正義である。
その上、本作はネタとしても悪くない部類に入るから始末に負えない。
この長さでバグなんてあるはずが無い、完璧なデバッグである。
大して、今までに公開した自分の作品はどうか。
本作に勝てる要素が一つでもあるか。
筆者の価値観さえ揺るがしかねない、なんとも恐ろしい作品である。

最後に。
万が一このレビューを見て本作に興味を持ったとしても、なるべくDLしないでほしい。
内容が気になる方は、動画サイトにて実況プレイ他がいくつかあるのでそちらを見てほしい。
こんな作品のDL数を伸ばす必要はない。
半ば僻みを込めたこの言葉を以て、総評を〆ることにする。
2013/06/22 追記
現在、本作品は公開終了となっている。
おそらくは音源の無断使用が原因と思われる。
そうなると、本レビューも削除するべきか……。
2015/02/07 追記
それから一年半くらい後のこと。
何時の間にやら、ver.1となって本作は再公開された。
今回は問題の無断使用の素材も使用せず、何ら問題ない作品になった訳だが……。

今回のバージョンアップにより、冒頭に主人公の性別・名前入力が追加された。
それにより、「正味1クリックで終了する」という本作最大の魅力が失せたのも事実である。

バージョンアップで機能が増えたのに却って作品の質が損なわれる……。
問題ない作品のはずなのに、なにか味気ない。
無論、だからといってこの作品を擁護する気など起きないのだが……。
フリーゲーム界隈の闇は深い。


月影の駅

名称 月影の駅
制作 月本国 様
ジャンル 現代和風RPG
全年齢対象(12歳以上推奨)
容量(解凍後) 20.5MB
公開日 2008/12/14
最新バージョン Ver.1.2(2012/05/17 公開)
レビュー公開時 2013/01/12 Ver.1.2
グラフィック 戦闘アニメのみ外注、その他は全て自作。
リアリティは高くないがRPGツクール2000の解像度を考えると十分高い方か。
ただ、チカと錦吾の顔グラは・・・。
外注の戦闘アニメのクオリティはかなり高い
サウンド BGM・SE共に殆どは素材屋・ハンドブックから。
一部SE(車両走行音・駅アナウンス)のみ自作・外注
BGMは雰囲気にあってる気がする。
地味にSEの使い方が上手く、いい演出をしていると思う。
ストーリー ストーリーはリアルさと虚構さを上手く交えた作風。
途中、耳が痛い台詞やシーンもあるが現代RPGの宿命、ということで。
基本的にラスボス戦で勝てればハッピーエンド、のはずだが現時点で一つハッピーエンドかどうか悩むものがある。
システム 見た目上はRPGツクール2000製のデフォルト戦闘。
それ以外も、独自メニューやシステムは一見無いように見えるが・・・。
だが、内部処理を工夫しており、特に敵のAIはかなり強化されている。
特に戦闘に於いてパラメータが高い・技が強いといった今までの手法ではない強さを感じた。
面白さ ずばり、言ってしまえばこのゲームの面白さは「いかに考えて良い決断をするか」に尽きる。
買い物から戦闘まで、全てが頭脳戦。
ある意味、昨今のストーリー重視で難易度が低いRPGとは一味違うRPGといえる。
上手い具合に死角や転倒などの状態異常が決まった状態で攻撃が当たると、なかなか気持ちいい。
総合評価 公式サイトにも書かれている通り、「人を選ぶ」「大人向けの」RPGと言える。
他のRPGと同じ感覚で何も考えずに進めると、クリアは厳しい。
考えて結果を出すことに喜びを見いだせる人なら、楽しめるはず。
総評 あまり流通量の多くない、現代和風世界向けの素材を数多く制作・公開しているサイト、月本国。
本作は月本国初の一般RPG作品。
(既にPS版のRPGツクール4用作品や素材サンプルゲームが公開済み)

元々は2006年、RPGツクール for mobile(※現在サービス終了)のコンテスト向けに制作された作品だが、 実に2年程かけてRPGツクール2000に移植。
mobile版と比べ制限が緩い2000だが、その分気合の入ったシステムを組んだ結果、延期に延期を重ねここまで時間がかかった。

舞台は蛯原県(えびはら-)波見市(はみ-)若林。最近になって大規模な合併の末に誕生した、田舎の町が舞台。
貧乏フリーターである主人公・在塚勇人(ありつか・はやと)は、仕事でこの街に来た。
そして食事をするために立ち寄った「井上食堂」にて、ひょんなことからある仕事を引き受けることになる。
というのも、井上食堂は近くに建った郊外型の総合大型ショッピングセンター「FANCY」の開店以来、すっかり客足が途絶えてしまったのだ。
どうやら、悪質常連客からツケを回収できれば窮地は凌げるようだ。
こうして、勇人は見知らぬ土地にて、看板娘のチカと共にツケの回収をすることになった。だが、その陰には・・・。

初プレイは今から4年くらい前になるが、高速で鉄橋を渡る列車を見たときは感動した。
高難易度ゆえに苦しみつつも、クリアした。
その後、周回プレーを重ねて勝ちENDは全て見ましたとさ。
体験版?F9?はて、何のことやら・・・?

基本的な流れは、一般的なRPGと同じ。
「ダンジョンにいる、ボスを倒せば任務完了」。それだけである。
ただ、伊達に現代和風RPGと名乗っているわけではない。
装備やアイテム、敵が現代日本にある物とすりかえただけ、ではない。

本作は基本的に頭脳戦・情報戦と言える。
例えばあるダンジョンでは害虫が多く潜むため、対策として解毒剤や殺虫剤を持って行った方がいい。
他にも痒み止めも必要だが、作業服を装備すると状態異常「痒〜」にならなくなる。
そのため、作業服を買った場合は痒み止めを買う必要が無い・・・といった感じ。

また、アイテムの買い方も様々。
基本的にはFANCYで買えばほぼ揃うが、リサイクルショップ「フェニックス」で買った方が安い。
だが、タイミングによっては欲しい物が売っていないこともしばしば。
同様にコンビニや自販機でも買い物はできるが、FANCYで買うより少し割高。
だが、一部の商品はコンビニでしか手に入らないし、撤退しない限り任務中は自販機くらいしか買い物できる場所はないため、やむを得ず買うこともある。
これらをどう使い分けるかも、攻略のカギの一つ。

そして、戦闘だが基本的にはいわゆる「補助技」がかなり幅を利かせる。
間違ってもアタックを連発しない方がいい。どうしてもSPやSP回復アイテムを節約しなければならない場合を除き、基本的には特殊技能を使うこと。
これらはただ攻撃するだけならず、転倒や死角などの状態異常を狙える。
全ての状態異常で2つ以上のステータスが半減する本作では、これらを有効活用しないと厳しい。
無論、熱き力や熱き心で攻撃力や精神力を上げるのも有効。
他にも相手の能力を下げて更に状態異常も狙える宴会芸などのスキルも良い。
SPや戦局を見て、どの方法が有効か考えた上で攻めていきたい。

尚、以上のことからSP消費量は他のRPGより多いため、回復薬も多めに持っておきたい。 コスパが一番良いのは燦燦茶ボトルMだが、戦闘中の回復は煎茶七十七(よろこび)や快活!壱郎などの高くても回復量の多いアイテムを使うべき場面もある。
一方、HP回復はスキル「気合溜め」で出来る上、消費SPも少な目なのでこちらを主に使った方がいい。
他にも攻略に関するネタは尽きないのだが、割愛。

マップやキャラのドット絵は割と高品質だが、残念ながら顔グラはいまいちと言わざるを得ない。
もっとも、筆者も絵はお世辞にも上手いとはいえないのだが・・・。
主人公勇人や飯塚翠竜(いいづか すいりゅう)、畠山泰平(はたけやま たいへい)辺りは・・・まあ仕方ない。
ただ、ヒロインのチカは歩行グラフィックとの差が激しいのが減点。
まあ、右図のようなシーンもあるのでフォローはできるが。
もう一人のヒロインである紫乃の顔グラはそう悪くないため、尚気になる点ではある。
あとラスボスの錦吾も作中でイケメンを思わせるような文章にも関わらず、顔グラが残念だったのも・・・。
念のために言っておくと、残念なのは顔グラ程度で、他は綺麗とかリアルとまでは言えないが出来は良い、と言っておく。

他にも一部演出で使われている赤と青の交互点滅(所謂ポ○モンフラッシュ)や、太子公園の鉄道好きの子供(特にテツコ)等、欠点を上げればキリは無い。
だが、それを踏まえても十分な魅力が本作にはあると思う。
少々難易度が高く、また攻略情報を見ても役に立つかは不明だが、せめて一周クリアだけでもしてもらいたい。
最後に、このゲームの本質を凝縮させた一言で締めくくることにする。





あっ、間違えた。こっちだこっち。


まあ要するに「バカは勝てない」ってことっすね・・・。
おっしゃる通りっすよ。
俺も負け組ですからね〜・・・ははは・・・。


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