なるべくMIDI音源を使う
MIDI形式は、音源の情報を直接記録するのではなく、楽曲の楽譜のデータを記録した形式です。
そのため、MP3形式などと比べると圧倒的にファイルサイズが軽いのが特徴。
MP3形式の場合、2分くらいの楽曲で2MB程度になりますが、
MIDI形式の場合、同じくらいの長さの楽曲で数十KB程度。
同じ容量で数十倍もの楽曲を使用可能になるため、基本的にはMIDI形式を使用することをお勧めします。
ただし、RPGツクールVX Aceではインポート画面では選択可能な拡張子リストに含まれていないため注意。
その場合、プロジェクトフォルダに直接データを入れれば問題ないそうです。
MIDI音源以外の容量削減方法
低容量に定評のあるMIDIですが、残念ながらBGM以外には使用できません。
また、MIDI形式では音色を指定できないため、どうしても音がショボく感じたり
迫力ある生ギターやボーカルを扱うことができないのが難点。
そもそも、サイトによっては使いたい曲のMIDI音源を配布していないことも……。
というわけで、ここからはMIDI音源以外の音源の容量を削減する方法を考えてみます。
尚、ここからの内容は音源の加工を伴います。
以下の内容を実際に試す場合、素材元の利用規約を確認した上で実行してください。
圧縮形式を変更する
ツクールやウディタで使用可能な音声データファイルの形式としては、WAVE・MP3・OGG・WMA形式があります。
この内WAVE形式は基本的に未圧縮のため、容量削減という面ではおススメできません。
フリー素材界隈ではMP3形式での配布が一般的ですが……。
この中で一番圧縮効率が良いのはOGG形式であり、この形式に変換することをおススメします。
ただし、RPGツクール2000・2003ではWAVE・MP3形式のみ使用可能で、しかもMP3形式もBGMとしてのみ使用可能。
そのため、以下の方法が使えません。ご了承ください。
WAVE形式の圧縮方法もあるにはあるらしいのですが、筆者もよくわかっていないため割愛。
圧縮形式の変換には、
Rip!AudiCOなどのファイル形式変換ソフトや
SoundEngine Freeなどの波形加工ソフトを使います。
圧縮形式の変換はほとんどの素材サイトで許可されているはずなので、利用規約的な問題はないはずです。
Rip!AudiCOの形式変換オプション画面。
画面上部の(1)音質ボタンをクリックすると出現。
ビットレートを調整する
MP3やOGGの音質の良さはビットレートで判断することが出来ます。
ビットレートとは1秒あたりの情報量で単位はkbps。
例えば128kbpsの場合、1秒あたり128kbit。8bit=1バイトなので、1秒あたり16KBということになります。
ビットレートの高いファイルほどサイズは大きくなり、また逆にビットレートを落とせば、ファイルサイズを小さくすることができます。
(ただしビットレートの低い音源を変換してビットレートを上げても音質は良くならない点に注意)
たまに128kbpsだと音質が悪いと言われることもありますが、
正直なところ、フリーゲームで使う分には128kbpsで十分です。
下手すれば96kbpsとか64kbpsでも十分かもしれません。
気になる場合は、様々なビットレートで圧縮して、聞き比べてみるのもいいかもしれません。
さらに低容量を目指して
先程のRip!AudiCOの形式変換オプション画面に「設定値:」(2)の項目がありました。
現在は44.1 kHz/stereoとなっています。
これは、左右2つのチャンネルに音の強さを1/44100秒ごとに区切り(これをサンプリング周波数という)記録しているという意味です。
このサンプリング周波数を減らすことで、劇的に容量を減らすことができます。
ただし、その代償として高音部分の情報が失われるため、音質もガクっと下がります。
また、ステレオ音源をモノラルにすれば、当然ですが容量を半分に減らすことが出来ます。
ただし、よほどのことが無い限りここまで圧縮する必要はないかと。
そこまですると流石に音質も酷くなりますし、そこまでしたところで容量の軽さではMIDI形式には勝てません……。
結論
・基本的にはMIDI音源かOGG形式を使おう
・高音質にこだわるのもいいけど、ある程度は低容量化も考えよう
・低容量にこだわるのもいいけど、ある程度は音質も気にしよう
・
それでも高音質音源を使いたい場合は、容量を気にせず最高の演出と共に華麗に使おう